「東京のIT企業で働いているけど、地方に移住してリモートで働きたい」
「地元に戻りたいけど、IT業界のキャリアは続けたい」
「フルリモート可の求人に応募しようか迷っているけど、本当に大丈夫なのか不安」
IT業界で働くあなたが、地方移住とリモートワークを考えているなら、この記事を最後まで読んでほしい。
私自身、都内のWeb制作会社からフルリモート可のIT企業に転職し、地方に移住した経験がある。結論から言えば、今は後悔していない。でも、最初の半年は「失敗したかも」と何度も思った。
地方でのリモートワークには、求人サイトや企業の採用ページには書かれていない「現実」がある。
給与の下がり方、孤独感、キャリアの停滞感、地方特有の人間関係——。
この記事では、IT業界から地方へのリモート転職を考えているあなたに、後悔しないための判断材料を提供する。煽る気はない。でも、知らないまま転職して後悔してほしくもない。
なぜ「IT業界 転職 地方 リモート」と検索する人が増えているのか
コロナ禍で変わった働き方の選択肢
2020年以降、IT業界ではリモートワークが一気に普及した。
それまで「出社が当たり前」だった企業も、フルリモートや週1〜2回の出社制度を導入し始めた。
その結果、「東京にいる必要がないなら、地方に住みたい」と考える人が急増した。
実際、転職サイトでも「フルリモート可」「居住地不問」の求人が目立つようになった。
でも、ここに落とし穴がある。
「リモートOK」と書いてあっても、実態は違うケースが多いのだ。
地方移住への憧れと不安
私の周りでも、地方移住を検討している人は多い。
理由はそれぞれだ。
- 実家に戻って親の近くで暮らしたい
- 家賃が高い都会より、地方で広い家に住みたい
- 満員電車から解放されたい
- 子育て環境を考えて地方に移りたい
どれも正当な理由だ。
でも、同時に不安もある。
「地方に行ったら、IT業界のキャリアは終わるんじゃないか」
「給料が下がって生活できなくなるんじゃないか」
「リモートワークって、実際どうなんだろう」
だから、「IT業界 転職 地方 リモート」と検索する。
その気持ち、よくわかる。私も同じだった。
実際に後悔・失敗しやすいパターン
地方でリモートワークをする——聞こえは良いけれど、実際にやってみると想像と違うことが多い。
ここでは、実際に後悔したり失敗したりしやすいパターンを紹介する。
パターン①:「フルリモート可」が嘘だった
一番多いのがこれ。
求人には「フルリモート可」と書いてあったのに、入社してみたら「月に数回は出社が必要」「重要な会議は対面で」と言われるケース。
私の知人のエンジニアは、「フルリモート可」の企業に転職して大阪から地元の広島に戻った。でも、入社3ヶ月後に「やっぱり週1回は東京オフィスに来てほしい」と言われた。
毎週広島から東京まで新幹線で通う生活。交通費は会社が出してくれたけど、体力的にも精神的にもきつくて、結局1年で辞めた。
なぜこんなことが起きるのか?
企業側も「リモートワークの運用」に慣れていないケースが多い。
採用時は「リモートでもいける」と思っていても、実際に働き始めると「やっぱり対面じゃないと難しい」と感じる上司や経営陣がいる。
特に、リモートワークを導入したばかりの企業や、地方にオフィスを持たない企業は要注意。
パターン②:給与が想像以上に下がった
地方への転職で覚悟すべきなのが、給与の減少。
都内のIT企業で年収500万円だった人が、地方のリモート企業に転職したら年収400万円になった——こういうケースは珍しくない。
「地方なら家賃も安いし、生活費も抑えられるから大丈夫」
そう思うかもしれない。確かに家賃は下がる。でも、それ以外の出費は意外と変わらない。
車が必要になる(都会なら車なしで生活できたのに)、ガソリン代、車検、保険。地方は公共交通機関が弱いから、車は必須だ。
また、地方には都会のような格安スーパーや激安ドラッグストアが少ない。意外と生活費がかかる。
私の場合、年収は50万円下がった。でも、車の維持費が年間30万円かかることを計算に入れていなかった。結果、手取りは都内にいた頃とほぼ変わらない。
パターン③:孤独感とコミュニケーション不足
リモートワークの最大の敵は、孤独感だ。
オフィスに出社していた頃は、同僚とランチに行ったり、休憩時間に雑談したり、そういう何気ないコミュニケーションがあった。
でも、フルリモートになると、それが一切なくなる。
Slackやチャットツールでやり取りはするけれど、業務連絡だけ。雑談はほとんどない。
Zoom会議も、議題が終わったらすぐに解散。オフィスで働いていた頃のような「ちょっと相談していい?」みたいな気軽さがない。
私は最初の3ヶ月、誰とも話さない日が週に2〜3日あった。一人暮らしだったから、本当に誰とも会話しない。朝起きてパソコンに向かい、夕方まで黙々と作業して、夜は一人でご飯を食べる。
精神的にきつかった。
特に、地方に移住したばかりで友人もいない状況だと、余計に孤独を感じる。
パターン④:キャリアの停滞感
地方でリモートワークをしていると、「自分のキャリアが停滞しているんじゃないか」という不安に襲われることがある。
都内のIT企業で働いていれば、勉強会やイベントに気軽に参加できる。最新の技術トレンドに触れる機会も多い。同業者との交流もある。
でも、地方にいるとそういう機会が圧倒的に少ない。
オンラインで参加できる勉強会もあるけれど、やはり対面の熱量とは違う。
また、リモートワークだと「見えない評価」の問題もある。
オフィスにいれば、上司や同僚に「頑張ってるな」と思ってもらえる場面がある。でも、リモートだと成果物でしか評価されない。
結果を出していても、「存在感が薄い」と感じられて、昇進や昇給のチャンスを逃すこともある。
パターン⑤:地方特有の人間関係に疲れる
これは意外と盲点。
地方に移住すると、都会にはない「地域の人間関係」が発生する。
町内会、自治会、地域の行事。都会なら無視できたけれど、地方では無視しづらい。
「新しく引っ越してきた若い人」として、何かと目立つ。「どこで働いてるの?」「結婚は?」「子供は?」——こういう質問が、当たり前のように飛んでくる。
私の場合、地元に戻ったので、親戚や昔の知人との関係も復活した。それはそれで嬉しいこともあるけれど、正直めんどくさいことも多い。
「東京で何してたの?」「なんで帰ってきたの?」「もう結婚しないの?」
悪気はないんだろうけど、プライベートに踏み込まれる感じが、ストレスになることもある。
それでも転職して良かったケース
ここまで読んで、「やっぱり地方リモート転職はやめた方がいいのか」と思ったかもしれない。
でも、成功している人もいる。
私自身、今は後悔していない。最初の半年は苦しかったけれど、今は「地方に来て良かった」と思っている。
ケース①:ライフスタイルが劇的に改善した
私が地方に移住して一番良かったのは、通勤時間がゼロになったこと。
都内にいた頃は、片道1時間の満員電車。往復2時間。週5日なら、週に10時間を通勤に使っていた。
今は、朝起きて10分後には仕事を始められる。
その分、朝ゆっくり過ごせるし、夜も早く仕事を終えられる。
また、広い家に住めるようになった。都内のワンルーム(家賃8万円)から、地方の2LDK(家賃5万円)へ。在宅ワーク用の仕事部屋も確保できた。
自然が近いのも良い。週末は山や海に行ける。都会では味わえない開放感がある。
ケース②:家族との時間が増えた
私の先輩エンジニアは、妻の実家がある地方都市にリモート転職した。
子供が生まれたばかりで、妻が実家の近くに住みたいと希望したからだ。
最初は年収が100万円下がって不安だったらしい。でも、妻の両親が近くにいることで、子育てのサポートを受けられるようになった。
保育園の送り迎えも、祖父母が手伝ってくれる。夫婦の負担が大幅に減り、精神的にも楽になった。
「年収は下がったけど、家族の幸せを考えたら、この選択は正解だった」
彼はそう言っている。
ケース③:副業・フリーランスへの準備期間として活用
地方でリモートワークをしながら、副業やフリーランスへの準備をする人もいる。
私の知人のWebデザイナーは、フルリモート可の企業に転職して実家に戻り、生活費を抑えながら副業でクライアントを増やしていった。
2年後、副業の収入が本業を超えたタイミングで独立。今はフリーランスとして、地方で自由に働いている。
「地方なら生活費が安いから、リスクを取りやすい」
彼女はそう言っていた。
ケース④:自分のペースで働ける環境を手に入れた
リモートワークの最大のメリットは、「自分のペースで働けること」だ。
オフィスにいると、どうしても周りの目が気になる。上司が見ているから、休憩しづらい。同僚が残業していると、自分も帰りづらい。
でも、リモートなら、そういうプレッシャーがない。
集中したいときは集中し、疲れたら休憩する。自分のリズムで働ける。
私はこの働き方が、すごく合っていた。
後悔しないための具体的な判断軸
では、IT業界から地方へリモート転職する際、何を基準に判断すればいいのか。
ここでは、具体的な判断軸を示す。
判断軸①:「フルリモート」の実態を確認する
求人に「フルリモート可」と書いてあっても、鵜呑みにしない。
面接の段階で、必ず以下を確認すること。
- 出社の頻度はどのくらいか(週何回?月何回?)
- 出社が必要なケースは具体的にどんな時か
- 地方在住でも本当に問題ないか
- 過去に地方在住でフルリモート勤務している社員がいるか
特に、「過去の実績」を聞くのが重要。
実際に地方からフルリモートで働いている人がいるなら、その会社はリモートワークの運用がうまくいっている可能性が高い。
逆に、「あなたが初めてのケース」だと、トラブルが起きやすい。
判断軸②:給与と生活費のシミュレーションを正確に行う
年収が下がることは覚悟する。
でも、「どれくらい下がって、どれくらい生活費が変わるのか」を正確にシミュレーションすること。
計算すべき項目:
- 家賃の差
- 車の維持費(ガソリン、保険、車検、駐車場代)
- 食費・日用品費(地方は意外と高い場合もある)
- 交通費(都会ならICカード、地方なら車)
- 交際費(都会より地方の方が飲み会が多いことも)
私の場合、年収が50万円下がったけど、手取りはほぼ変わらなかった。でも、それは事前にシミュレーションしていたから納得できた。
判断軸③:孤独に耐えられるか
リモートワークは、孤独との戦い。
これを甘く見ないこと。
もしあなたが、
- 人と話すのが好き
- 一人でいると気が滅入る
- 誰かと一緒に働く方がモチベーションが上がる
こういうタイプなら、フルリモートは向いていない。
逆に、
- 一人の方が集中できる
- 人間関係のストレスが減るなら歓迎
- 孤独は平気
こういうタイプなら、リモートワークは合っている。
自己分析が大事。
判断軸④:キャリアの方向性を明確にする
地方でリモートワークをすると、都会にいた頃と比べてキャリアの選択肢が狭まる可能性がある。
それを受け入れられるか?
もしあなたが、
- 最新技術を追い続けたい
- 大手IT企業に転職したい
- スタートアップで働きたい
こういう志向なら、地方移住は慎重に考えた方がいい。
逆に、
- 今のスキルを深めたい
- ワークライフバランスを重視したい
- いずれはフリーランスや副業を考えている
こういう志向なら、地方リモートは選択肢になる。
判断軸⑤:「逃げ」ではなく「選択」か
最後に、これが一番大事。
地方移住が「逃げ」になっていないか。
「今の職場が嫌だから」「人間関係に疲れたから」「なんとなく地方が良さそうだから」
こういう理由だけで転職すると、失敗する。
逃げの転職は、どこに行っても同じ問題に直面する。
逆に、
「地方で〇〇な暮らしをしたい」「家族との時間を増やしたい」「自分のペースで働きたい」
こういう明確な理由があるなら、その転職は「選択」だ。
選択なら、後悔は少ない。
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