インフラエンジニアへの転職を考えているあなたは、今こんな不安を抱えていませんか。
「夜勤があるって聞くけど、実際どれくらいきついんだろう」「未経験から転職して、本当にやっていけるのか」「給料は良さそうだけど、体を壊したら意味がない」
転職サイトや求人広告を見ると、「需要が高い」「年収アップが期待できる」「手に職をつけられる」といったポジティブな情報ばかりが目に入ります。でも、実際に転職した人の口コミを読むと、「夜勤がつらくて体調を崩した」「想像以上にプレッシャーが大きい」「ワークライフバランスが取れない」といった声も少なくありません。
この記事では、インフラエンジニアに転職して後悔する人の共通点、そして転職前に知っておくべき夜勤の現実について、具体的な事例を交えながら解説していきます。華やかな面だけでなく、厳しい現実も含めて、冷静に判断できる材料を提供したいと思います。
インフラエンジニアに転職して後悔する人の共通点
まず、実際に転職して「失敗した」「想像と違った」と感じている人たちには、いくつかの共通点があります。これらを知っておくことで、自分が同じ轍を踏まないための予防策を立てることができます。
夜勤の負担を甘く見ていた人
最も多いのが、この理由です。
インフラエンジニアの仕事は、システムが24時間365日稼働している以上、誰かが監視し続ける必要があります。そのため、多くの現場では夜勤のシフトが組まれています。
求人情報には「夜勤あり」「シフト制」と書かれていても、実際にどれくらいの頻度で、どんな働き方になるのかは、入社してみないと分からないことも多いものです。
ある三十代前半の男性は、前職の営業から転職してインフラエンジニアになりました。彼は「月に4回くらいの夜勤なら大丈夫だろう」と軽く考えていたそうです。しかし、実際には週に1〜2回の夜勤があり、しかも夜勤明けの翌日も通常出勤というケースが多かったといいます。
夜勤が終わって朝帰ってきても、体は疲れているのに頭が冴えて眠れない。昼間に無理やり寝ても、夕方には目が覚めてしまい、結局睡眠不足のまま次の日を迎える。こういった不規則な生活リズムに体がついていかず、半年で体調を崩してしまいました。
彼が後悔したのは、「夜勤の頻度だけでなく、自分の体質が不規則な生活に耐えられるかを考えなかった」ことだと振り返っています。
「技術を学べば何とかなる」と思っていた人
インフラエンジニアは技術職ですから、「勉強すれば誰でもできる」と考えがちです。確かに、知識は勉強で身につきます。でも、現場で求められるのは知識だけではありません。
二十代後半の女性は、未経験からインフラエンジニアに転職しました。入社前に参考書を何冊も読んで、基本的な知識は頭に入れていました。しかし、いざ現場に配属されると、想定外の事態の連続だったといいます。
サーバーが突然ダウンしたとき、マニュアル通りに対応しても復旧しない。そんな時に必要なのは、「どこに原因があるのか」を素早く切り分ける判断力と、複数の対応策を同時に考える思考力です。しかも、システムが止まっている間、ビジネスに影響が出るため、時間との戦いになります。
彼女は、そのプレッシャーに耐えきれず、「自分には向いていない」と感じて1年で退職しました。後悔したのは、「技術は学べても、プレッシャーの中で冷静に判断する能力は一朝一夕には身につかないことを理解していなかった」点だったそうです。
ワークライフバランスを優先したかった人
インフラエンジニアの仕事には、突発的な対応が付きものです。
システム障害は、平日の日中に起こるとは限りません。週末の深夜に突然サーバーがダウンすることもあれば、大型連休中にネットワーク障害が発生することもあります。
三十代後半の男性は、前職の長時間労働に疲れて、「技術を身につけて、もっと自由な働き方をしたい」とインフラエンジニアに転職しました。彼は、リモートワークができる環境や、定時で帰れる日が増えることを期待していました。
しかし、現実は違いました。確かに平常時は定時で帰れる日もありますが、トラブルが発生すれば、夜中でも休日でも対応しなければなりません。オンコール対応のため、常に携帯電話を手放せず、旅行に行っても気が休まらない日々が続きました。
家族との時間を大切にしたいと思っていた彼にとって、この働き方は想像以上にストレスでした。「技術職なら自由に働けると思っていたけど、むしろ前職より拘束されている感じがする」と語っています。
コミュニケーションを軽視していた人
「エンジニアは黙々とパソコンに向かう仕事」というイメージを持っている人もいます。しかし、インフラエンジニアは、想像以上に人とのやり取りが多い職種です。
障害が発生したときは、アプリケーション開発チーム、ネットワークチーム、ベンダー、そしてビジネス側の担当者など、複数の関係者と連携して対応する必要があります。原因の切り分けをするために質問をしたり、対応状況を報告したり、復旧の見通しを伝えたり。コミュニケーション能力が求められる場面は多岐にわたります。
二十代後半の男性は、「人と話すのが苦手だから、技術職を選んだ」と話していました。しかし、実際にインフラエンジニアとして働き始めると、毎日のように関係者とのミーティングがあり、障害対応時には電話で複数の部署と同時に連絡を取り合う必要がありました。
彼は技術力は高かったのですが、「状況を分かりやすく説明する」「相手の立場に立って考える」といったコミュニケーションスキルが不足していたため、周囲との摩擦が生まれました。結果的に、職場の人間関係に悩み、転職を後悔することになったそうです。
給料だけを見て転職した人
インフラエンジニアは、IT業界の中でも比較的年収が高い職種です。特に、経験を積んだエンジニアや、クラウドなどの新しい技術に対応できる人材は、高い給料を得られる可能性があります。
しかし、「給料が良いから」という理由だけで転職すると、後悔するケースが多いのも事実です。
三十代前半の女性は、前職の事務職から年収100万円アップを期待してインフラエンジニアに転職しました。確かに給料は上がりましたが、その分、責任の重さと労働時間の長さが予想以上だったといいます。
夜勤手当や休日出勤手当が含まれての年収アップだったため、実質的には「時給換算すると前職とあまり変わらない」という状況でした。しかも、常にシステム障害のリスクと向き合い、精神的なストレスも大きかったため、「こんなことなら前職の方がよかった」と感じるようになりました。
彼女が後悔したのは、「給料の額面だけを見て、その給料がどんな働き方の対価なのかを考えなかった」ことです。
夜勤の現実、どれくらいきついのか
インフラエンジニアの仕事を語る上で、夜勤は避けて通れないテーマです。具体的に、どんな働き方になるのか見ていきましょう。
夜勤の頻度と勤務形態
夜勤の頻度は、会社や現場によって大きく異なります。
運用監視を専門に行う会社では、2交代制や3交代制のシフトが組まれていることが多く、月に8回〜12回程度の夜勤があるケースもあります。一方、開発寄りの部署では、夜勤は月に1〜2回のオンコール当番のみというところもあります。
一般的な夜勤のパターンは、22時〜翌朝6時、あるいは深夜0時〜翌朝9時といった時間帯です。夜勤明けの扱いも会社によって異なり、そのまま休みになる場合もあれば、昼過ぎまで働いて早退扱いになる場合もあります。
ある四十代前半の男性は、大手企業のインフラチームで働いています。彼の職場では、月に4回程度の夜勤があり、夜勤明けは午前中まで働いて帰宅できるそうです。「若い頃はなんともなかったけど、四十代になって体力的にきつくなってきた」と正直に話してくれました。
夜勤中の業務内容
夜勤中は何をしているのか。これも現場によって異なりますが、基本的には「監視」と「対応」が主な業務です。
監視業務では、サーバーやネットワークの状態を定期的にチェックします。異常値が出ていないか、エラーログが記録されていないか、パフォーマンスに問題がないかを確認していきます。
トラブルが発生した場合は、すぐに対応に入ります。原因を特定し、必要に応じてシステムを再起動したり、設定を変更したり、関係者に連絡を取ったりします。
問題なければ比較的静かな時間が流れますが、何か起きれば一気に忙しくなります。この「いつ何が起こるか分からない」という緊張感が、夜勤のストレスを高める要因の一つです。
二十代後半の男性は、運用監視の会社で働いています。彼によると、「夜勤中は、暇な時間と激務の時間が極端」だそうです。何もない夜は時間が長く感じられ、逆にトラブルが重なると朝まで休む暇もないといいます。
生活リズムへの影響
夜勤で最も大きな問題は、生活リズムの乱れです。
人間の体は、昼間に活動して夜に休むようにできています。夜勤はこの自然なリズムに逆らう働き方なので、体調を崩しやすくなります。
特に、夜勤と日勤が混在するシフトの場合、体内時計が狂いやすくなります。今週は夜勤、来週は日勤という働き方を続けていると、睡眠の質が低下し、疲労が蓄積していきます。
三十代前半の女性は、「夜勤の後はどんなに疲れていても、昼間は眠りが浅い」と話していました。そのため、夜勤明けの日は常に寝不足状態で、週末にまとめて睡眠時間を確保しても、なかなか疲れが取れなかったそうです。
さらに、家族や友人との時間も取りにくくなります。夜勤がある週は、家族が寝ている時間に仕事をし、家族が起きている時間に寝ているため、顔を合わせる時間が減ります。友人との飲み会や趣味の活動も、シフトに合わせて調整する必要があり、自由度が下がります。
インフラエンジニアに向いている人、向いていない人
ここまで読んで、「自分には厳しいかも」と感じた人もいるかもしれません。逆に、「これくらいなら大丈夫そう」と思った人もいるでしょう。
では、具体的にどんな人がインフラエンジニアに向いていて、どんな人が向いていないのか、業務の具体例を交えながら見ていきましょう。
向いている人の特徴
責任感が強く、使命感を持てる人
インフラエンジニアが管理するシステムは、企業のビジネスを支える重要な基盤です。システムが止まれば、売上に直結する影響が出ることもあります。
そのため、「自分がシステムを守っている」という使命感を持てる人は、この仕事に向いています。
例えば、ECサイトのインフラを担当している場合、セール期間中はアクセスが集中します。この時にシステムが安定稼働するよう、事前にキャパシティを増強したり、監視体制を強化したりします。無事にセールが終わった時の達成感は、大きなやりがいにつながります。
四十代前半の男性は、「システムが安定稼働している時は地味だけど、障害を未然に防いだ時や、素早く復旧させた時は、本当に役に立てたと実感できる」と語っています。
論理的に考え、冷静に判断できる人
システム障害が発生した時、パニックになっていては適切な対応ができません。
「どこに問題があるのか」を論理的に切り分け、「どの対応から手をつけるべきか」を冷静に判断する能力が必要です。
例えば、Webサイトにアクセスできないという障害が発生した場合、原因は複数考えられます。Webサーバーの問題か、データベースの問題か、ネットワークの問題か。それとも、アプリケーションのバグか。
これらを一つずつ確認していき、原因を特定する。そして、ビジネスへの影響を最小限にするために、一時的な回避策と根本的な解決策を並行して進める。こういった思考ができる人は、インフラエンジニアに向いています。
夜型生活や不規則な生活に適応できる人
これは体質的な要素も大きいのですが、夜勤や不規則な生活に比較的適応しやすい人もいます。
「もともと夜型人間で、夜の方が集中できる」「シフト制の生活の方がリズムが作りやすい」という人にとっては、夜勤はそれほど苦ではないかもしれません。
二十代後半の男性は、「学生時代から夜型で、朝早く起きるのが苦手だった。夜勤の方が体に合っている」と話していました。彼にとって、夜勤は苦痛ではなく、むしろ自分のペースで働ける時間だそうです。
ただし、年齢を重ねると体力的にきつくなってくる可能性もあるため、長期的なキャリアプランは考えておく必要があります。
学び続ける意欲がある人
IT技術は日進月歩で進化しています。数年前の知識はすぐに古くなり、新しい技術やツールが次々と登場します。
インフラエンジニアとして長く活躍するためには、常に学び続ける姿勢が必要です。
例えば、数年前まではオンプレミス(自社でサーバーを持つ形態)が主流でしたが、今はクラウド(AWSやAzureなど)への移行が進んでいます。クラウドの知識がなければ、市場価値が下がってしまいます。
三十代後半の女性は、「毎年新しい技術を一つは学ぶようにしている。それが自分の市場価値を保つ方法だと思っている」と話していました。
向いていない人の特徴
規則正しい生活を重視する人
夜勤やオンコール対応がある以上、完全に規則正しい生活を送ることは難しいです。
「毎日同じ時間に起きて、同じ時間に寝たい」「週末は必ず休みたい」という人にとって、インフラエンジニアの働き方はストレスになる可能性が高いです。
例えば、趣味でスポーツチームに所属していて、毎週末は必ず試合があるという人の場合、オンコール当番が週末に回ってくると参加できなくなります。こういった制約が、生活の質を下げることにつながります。
プレッシャーに弱い人
システム障害が発生すると、ビジネスに影響が出ます。「早く復旧しなければ」というプレッシャーの中で、冷静に対応する必要があります。
プレッシャーを感じると頭が真っ白になってしまう、焦って判断を誤ってしまうという人は、インフラエンジニアの仕事に苦痛を感じるかもしれません。
特に、金融系や医療系など、システム停止が重大な影響を及ぼす業界では、プレッシャーはより大きくなります。
一人で黙々と作業したい人
前述の通り、インフラエンジニアは意外とコミュニケーションが多い仕事です。
「人と話すのが苦手」「メールやチャットでのやり取りも最小限にしたい」という人には、ストレスが大きい可能性があります。
例えば、アプリケーション開発チームから「パフォーマンスが遅い」という問い合わせがあった場合、原因を一緒に調査したり、改善策を提案したりする必要があります。技術的な知識だけでなく、相手の状況を理解して説明する能力も求められます。
体力に自信がない人
夜勤や不規則な生活は、確実に体に負担をかけます。
もともと体が弱い、疲れやすいという人は、長く続けるのが難しいかもしれません。
また、年齢を重ねると体力は自然と衰えていきます。四十代、五十代になっても夜勤を続けられるかは、体質や健康状態によって個人差が大きいです。
向いていなくても活路があるケース
ここまで読んで、「自分は向いていないかも」と感じた人もいるかもしれません。でも、諦めるのはまだ早いです。
夜勤が少ない現場を選ぶ
インフラエンジニアの仕事全てに夜勤があるわけではありません。
例えば、社内の情シス(情報システム部門)では、夜勤がほとんどない場合もあります。定時のメンテナンス作業や、計画的なシステム更新が主な業務であれば、日勤だけで対応できます。
また、クラウド移行が進んでいる企業では、従来のような24時間監視体制が不要になっているケースもあります。クラウドサービス側で監視してくれるため、エンジニアは設計や改善業務に集中できます。
キャリアパスを考える
若いうちは夜勤をこなしながら経験を積み、将来的にはマネジメントやアーキテクトなど、夜勤が少ないポジションを目指すという道もあります。
三十代後半の男性は、「二十代は運用監視で夜勤もしたけど、今はインフラ設計がメインで夜勤はほとんどない」と話していました。
経験を積めば、働き方を選べる立場になれる可能性があります。
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