「銀行員を辞めたい」「でも辞めて本当に大丈夫なのか」そんな不安を抱えて、このページにたどり着いたのではないでしょうか。
毎日のノルマ、理不尽な異動、終わらない残業、形だけの研修。安定しているはずの銀行員生活が、いつの間にか心身を削る日々になっている。でも、「せっかく入った銀行だし」「親にも反対されそう」「転職して後悔したらどうしよう」という思いが、あなたの一歩を止めているのかもしれません。
私は元メガバンク社員として7年間働き、30歳で銀行を辞めました。周囲からは「もったいない」「安定を捨てるなんて」と言われましたが、今振り返ると「辞めてよかった」と心から思っています。
この記事では、銀行員を辞めた私自身の経験と、同じように銀行を去った元同僚たちのリアルな体験をもとに、辞めてよかったと感じる理由、転職後の変化、そして辞める前に知っておくべきことを正直にお伝えします。
銀行員を辞めてよかったと感じる5つの理由
精神的なプレッシャーから解放された
銀行員時代、最も辛かったのは終わりのないノルマでした。投資信託、保険、カードローン。毎月のように設定される目標数字に追われ、達成できなければ支店長から詰められる。お客様のためではなく、数字のために営業している自分に嫌気がさしていました。
辞めた今、この重圧から完全に解放されています。もちろん転職先にも目標はありますが、銀行のような「達成できなければ人格を否定されるような詰め方」はありません。朝起きた時の憂鬱感がなくなったことが、何より大きな変化です。
実際に大手地方銀行を辞めた元同僚(28歳女性)は、「毎朝、通勤電車に乗る前に吐き気がしていた。辞めてから、その症状が嘘のように消えた」と話していました。ストレス性の体調不良は、環境を変えることで劇的に改善することがあります。
プライベートの時間が増えた
銀行員時代は、定時が17時でも実際に帰れるのは20時、21時。しかも持ち帰り仕事として、資格試験の勉強や提案書の作成が待っています。土日も研修や自主勉強会という名目で休日出勤。有給も取りづらく、年間5日使えれば良い方でした。
転職後は、残業が月20時間程度に減り、19時には退社できるようになりました。土日は完全に休みで、趣味の時間や家族との時間が持てるように。有給も年間15日以上消化できています。
「時間ができた」というだけでなく、「精神的な余裕」が生まれたことが大きいです。銀行員時代は、休日でも「月曜日が来る」という不安で心から休めませんでした。今は休日を心から楽しめています。
給料以外の幸福度が上がった
「銀行を辞めたら給料下がるでしょ?」これは誰もが心配する点です。確かに、私の場合は年収が約100万円下がりました。メガバンク時代の年収550万円から、転職先では450万円に。
ただし、残業代込みでの比較です。時給換算すると、実はほぼ変わっていません。しかも、銀行員時代は研修費や資格取得費用を自腹で払うことが多く、実質的な手取りは今の方が多いくらいです。
何より、「お金では買えない幸福度」が圧倒的に上がりました。健康、時間、精神的な安定。これらは給料では測れない価値です。
メガバンクを辞めて IT企業に転職した元同僚(32歳男性)は、年収が50万円下がったものの、「妻との時間が増えて、結婚生活がうまくいくようになった。金額以上の価値がある」と言っていました。
人間関係のストレスが減った
銀行の人間関係は独特です。上下関係が厳しく、パワハラまがいの指導も日常茶飯事。支店長の機嫌次第で職場の雰囲気が変わり、派閥やゴマすり文化も根強い。「仕事ができる」よりも「上司に気に入られる」ことが評価される風潮に疑問を感じていました。
転職先では、フラットな関係性の中で仕事ができています。もちろん上下関係はありますが、理不尽な叱責や、年功序列だけの評価システムはありません。成果を出せば、年齢に関係なく評価される環境です。
銀行を辞めて中小企業の経理に転職した元同僚(35歳女性)は、「前職では毎日誰かが怒鳴られている環境だったが、今は穏やかに仕事ができる。人間関係のストレスが10分の1になった」と話していました。
自分のキャリアを自分で選べるようになった
銀行員のキャリアは、ほぼ会社が決めます。突然の異動、希望しない部署への配属、転勤。自分の意思よりも、組織の都合が優先されます。「あと3年でまた異動だろうな」「次はどこに飛ばされるんだろう」という不安定感がずっとありました。
転職後は、自分のキャリアを自分で設計できるようになりました。どんなスキルを身につけたいか、どの分野を深めたいか、自分で選択できる。この「主体性」が、仕事のモチベーションを大きく高めています。
また、銀行員時代は「銀行でしか通用しないスキル」ばかりを磨いていた不安がありました。今は、他の業界でも通用する汎用的なスキルを身につけられているという実感があります。
銀行員を辞めた後の転職先と年収の変化
実際に銀行を辞めた人たちは、どんな業界に転職しているのでしょうか。私の周囲の実例を紹介します。
IT・Web業界への転職(最も多いパターン)
私を含め、最も多いのがIT・Web業界への転職です。銀行員時代に培った論理的思考力、数字への強さ、顧客折衝能力は、IT営業やコンサルタント職で高く評価されます。
具体例:
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メガバンク営業7年目(29歳男性)→ SaaS企業の法人営業 年収: 580万円 → 550万円(ただし残業が半分以下に)
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地方銀行融資担当5年目(27歳女性)→ Web系ベンチャーの財務担当 年収: 450万円 → 480万円
IT業界は成長産業であり、銀行よりも年功序列が薄く、成果主義の傾向が強いです。スキルを磨けば、銀行員時代以上の年収を実現できる可能性もあります。
コンサルティング業界への転職
銀行員の分析力や業界知識を活かせるのが、コンサルティング業界です。特に金融系コンサルや、中小企業向けの経営コンサルタントへの転職は、比較的スムーズです。
具体例:
- メガバンク法人営業10年目(33歳男性)→ 中堅コンサルティングファーム 年収: 650万円 → 700万円
ただし、コンサル業界も激務な面があり、「銀行より楽になった」とは一概に言えません。仕事の質が変わるだけで、忙しさは継続する可能性があります。
事業会社の財務・経理への転職
銀行員の金融知識や数字に強い特性を活かして、一般企業の財務・経理部門に転職するケースも多いです。特に上場企業や成長企業では、銀行出身者が重宝されます。
具体例:
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地方銀行融資課6年目(30歳男性)→ 上場メーカーの財務部 年収: 520万円 → 500万円(ただし残業激減、転勤なし)
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メガバンク資産運用部4年目(26歳女性)→ ベンチャー企業のCFO補佐 年収: 480万円 → 550万円(ストックオプションあり)
事業会社の魅力は、銀行ほどの理不尽なノルマがなく、ワークライフバランスが取りやすい点です。
独立・起業する人も
銀行員時代の人脈や金融知識を活かして、独立・起業する人もいます。ファイナンシャルプランナー、保険代理店、不動産投資コンサルタントなどが代表的です。
具体例:
- メガバンク個人営業8年目(34歳男性)→ 独立系FPとして開業 年収: 600万円 → 初年度400万円(3年目で700万円)
ただし、独立は不安定さも伴います。すぐに収入が安定するわけではないため、資金的な余裕や明確なビジネスプランが必要です。
銀行員を辞める前に確認すべき3つのポイント
辞めたい理由を明確にする
「辛いから辞めたい」という感情だけで動くと、転職後に後悔する可能性があります。何が辛いのか、どんな環境なら働けるのか、具体的に言語化することが重要です。
チェックリスト:
- ノルマが辛いのか、人間関係が辛いのか
- 銀行という業界が嫌なのか、今の職場が嫌なのか
- やりたいことが明確にあるのか、逃げたいだけなのか
私の場合、「金融という仕事自体は嫌いではないが、銀行のノルマ文化と理不尽な人間関係が耐えられない」と整理できたことで、転職の軸が定まりました。
転職市場での自分の価値を知る
「銀行員は潰しが効く」と言われますが、それは一定の条件下での話です。20代であれば第二新卒として評価されやすいですが、30代後半以降になると、専門性が求められます。
自分の市場価値を知る方法:
- 転職エージェントに登録して、客観的な評価をもらう
- 転職サイトで「銀行出身者歓迎」の求人を検索する
- LinkedInなどで、同世代の銀行出身者のキャリアを調べる
私は転職エージェントとの面談で、「法人営業の経験は評価されるが、専門性としてはまだ弱い」という厳しいフィードバックをもらいました。それを踏まえて、転職先では「デジタルマーケティング」という専門性を身につける方向性を選びました。
経済的な準備をする
銀行を辞めると、多くの場合、一時的に年収が下がります。また、退職金も勤続年数が短いと少額です。生活レベルを維持できるか、事前にシミュレーションが必要です。
準備すべきこと:
- 最低6ヶ月分の生活費を貯蓄しておく
- 転職先の年収と手取り額を正確に把握する
- ボーナスや福利厚生の違いも考慮する
- 家族がいる場合は、家族の理解と協力を得る
私の場合、妻と事前に話し合い、「年収が100万円下がっても、生活レベルを少し下げれば問題ない」という合意を得ていました。この準備があったからこそ、安心して転職に踏み切れました。
銀行員を辞めて後悔した人の特徴
すべての人が「辞めてよかった」と感じるわけではありません。中には後悔している人もいます。その特徴を知っておくことで、同じ失敗を避けられます。
明確な目的なく辞めてしまった人
「とにかく辞めたい」という気持ちだけで転職すると、次の職場でも同じような不満を抱える可能性があります。
失敗例: 地方銀行を辞めて不動産会社に転職した元同僚(31歳男性)は、「銀行のノルマから逃れたかった」という理由だけで転職。しかし、不動産営業も厳しいノルマがあり、「銀行よりきつい」と感じて1年で退職。結果的にキャリアに傷がついてしまいました。
転職先のリサーチ不足だった人
企業のHPや求人情報だけを見て転職すると、入社後にギャップを感じることがあります。
失敗例: メガバンクを辞めてベンチャー企業に転職した元同僚(28歳女性)は、「自由な社風」に惹かれて入社。しかし、実態は人手不足で一人何役もこなす必要があり、「銀行より忙しい」と後悔していました。事前に社員との面談や口コミサイトの確認をしておくべきでした。
銀行のブランドに依存していた人
銀行員という肩書きがなくなることで、自信を失う人もいます。特に、取引先との関係が「銀行」というブランドに依存していた場合、転職後に自分の実力のなさを痛感することがあります。
後悔例: メガバンクを辞めて中小企業に転職した元同僚(35歳男性)は、「銀行員時代は取引先から丁重に扱われていたが、転職後は一営業マンとして扱われ、プライドが傷ついた」と話していました。ブランドではなく、自分のスキルで勝負する覚悟が必要です。
銀行員を辞めてよかったと思える転職の成功例
一方で、計画的に転職し、充実したキャリアを歩んでいる人も多くいます。
成功例1:20代でIT業界へキャリアチェンジ
メガバンク営業3年目で退職(25歳男性) → IT系ベンチャーのカスタマーサクセス職へ転職
転職理由: 「銀行の堅苦しい文化が合わなかった。もっと成長産業で、若いうちからチャレンジできる環境に行きたかった」
転職後の変化:
- 年収: 450万円 → 400万円(初年度)→ 550万円(3年目)
- 残業が月40時間から20時間に減少
- リモートワークも可能になり、ワークライフバランス改善
- 専門性(SaaS、カスタマーサクセス)が身につき、市場価値が上昇
本人のコメント: 「最初は年収が下がって不安だったが、成果を出せば給料も上がる環境。銀行のような年功序列ではなく、やりがいを感じている」
成功例2:30代で専門性を活かして年収アップ
地方銀行融資担当8年目で退職(32歳女性) → 上場企業の財務部へ転職
転職理由: 「転勤が多く、家族との時間が取れなかった。専門性を活かせる環境で、腰を据えて働きたかった」
転職後の変化:
- 年収: 520万円 → 580万円
- 転勤なし、残業も減少
- 簿記1級、中小企業診断士などの資格取得にも挑戦中
- 家族との時間が増え、プライベートも充実
本人のコメント: 「銀行で培った財務知識が、転職先で高く評価された。年収も上がり、ワークライフバランスも改善。辞める決断をして本当によかった」
成功例3:40代で独立し、自分らしい働き方を実現
メガバンク個人営業15年目で退職(42歳男性) → 独立系ファイナンシャルプランナーとして開業
転職理由: 「ノルマに追われる日々に疲れた。お客様のためではなく、銀行のための営業に限界を感じた」
転職後の変化:
- 年収: 700万円 → 初年度500万円 → 3年目で800万円
- 働く時間を自分でコントロールできるように
- 本当にお客様のためになる提案ができる喜び
- 人生の主導権を自分が握っている実感
本人のコメント: 「初年度は収入が下がって不安だったが、徐々に顧客が増え、今では銀行員時代より稼げている。何より、自分の価値観に沿った仕事ができることが幸せ」
銀行員を辞めるかどうか迷っているあなたへ
ここまで読んで、「やっぱり辞めたい」と思った人も、「もう少し考えよう」と思った人もいるでしょう。どちらの選択も正解です。大切なのは、自分の人生を自分で選ぶことです。
辞める決断をする前にできること
もし今すぐ辞めることに躊躇があるなら、以下を試してみてください。
部署異動を願い出る: ノルマのない部署(事務センター、システム部門など)への異動で、ストレスが軽減される可能性があります。
休職制度を活用する: 心身が限界なら、まず休むことも選択肢です。冷静になってから判断できます。
副業を始めてみる: 銀行員でも副業OKの銀行が増えています。週末だけ別の仕事をしてみることで、自分の適性が見えることもあります。
転職活動を始めてみる: 辞める前提ではなく、「市場を知る」ために転職エージェントに登録してみる。選択肢を知ることで、冷静に判断できます。
辞める決断をしたら
一方、「やはり辞めよう」と決めたなら、以下のステップで進めましょう。
- 転職先を決めてから辞める(無職期間を作らない)
- 退職の3ヶ月前には上司に伝える(引き継ぎ期間を確保)
- 有給を消化してから退職する(権利は主張する)
- 退職金や企業年金の手続きを確認する
- 健康保険、年金の切り替え手続きを忘れずに
私は退職を決意してから、転職先が決まるまで4ヶ月かかりました。その間、銀行に在籍しながら転職活動をしました。焦って辞めるより、次を決めてから辞める方が、精神的にも経済的にも安心です。
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