中途入社してまだ1ヶ月なのに、もう辞めたいと感じていませんか
「聞いていた仕事内容と全然違う」「職場の雰囲気が想像以上に悪い」「このまま続けても成長できる気がしない」。中途入社してまだ1ヶ月なのに、すでに退職を考えている。でも、たった1ヶ月で辞めていいのだろうか、次の転職に悪影響はないだろうか、と不安で踏み出せない。
実は、このような悩みを抱えている人は決して少なくありません。人材サービス大手の調査によると、中途入社者の約15%が入社後3ヶ月以内に「辞めたい」と感じた経験があると回答しています。あなただけではないのです。
この記事では、転職支援に10年以上携わってきた経験から、入社1ヶ月で辞めることのリスクと判断基準、辞める前に試すべきこと、そして実際に辞める場合の具体的な手順まで、包括的に解説します。読み終わる頃には、あなたが今取るべき行動が明確になっているはずです。
中途入社1ヶ月で辞めたいと思う主な理由
まず、なぜ入社1ヶ月という短期間で辞めたくなるのか、よくある理由を整理してみましょう。自分の状況と照らし合わせてみてください。
最も多いのが「聞いていた仕事内容と実態が違う」というケースです。面接では「企画職」と聞いていたのに、実際は事務作業ばかり。「新規事業を任せる」と言われたのに、ルーチンワークしか振られない。このようなギャップは、入社後すぐに表面化します。
次に「職場の人間関係が想像以上に悪い」という理由も多く見られます。上司のパワハラ、同僚の陰湿ないじめ、派閥争い。面接では分からなかった職場の闇が、入社後に明らかになるケースです。私がサポートした30代の女性は、入社2週間で先輩からの無視や嫌がらせを受け始め、1ヶ月で心身に不調をきたしました。
「労働環境が劣悪」という理由も深刻です。求人票には「残業月20時間程度」と書いてあったのに、実際は毎日終電まで働かされる。休日出勤が当たり前で、有給休暇も取れない雰囲気。ブラック企業の実態が入社後に判明するパターンです。
「会社の経営状態が不安定」という場合もあります。入社してみたら経営が傾いていて給与遅延が起きている、上層部が次々と辞めている、取引先とのトラブルが頻発しているなど、会社の将来性に不安を感じるケースです。
「自分の能力と仕事のミスマッチ」を感じる人もいます。求められるスキルが高すぎてついていけない、逆に簡単すぎて物足りない、自分のキャリアプランと合わない。このようなミスマッチは、早期に気づくことが多いです。
最後に「前職と比較して後悔」というパターンもあります。前の会社の方が待遇が良かった、人間関係が良好だった、仕事にやりがいがあった。転職してみて初めて、前職の良さに気づくケースです。
あなたが辞めたい理由は、これらのどれに当てはまるでしょうか。理由によって、取るべき対応が変わってきます。
入社1ヶ月で辞める5つのリスクとデメリット
感情的に「辞めたい」と思っても、実際に辞める前にリスクとデメリットを冷静に理解しておく必要があります。
第一のリスクは「履歴書の傷」になることです。1ヶ月という短期間の職歴は、次の転職活動で必ず説明を求められます。面接官から「忍耐力がない」「またすぐ辞めるのでは」と疑われる可能性が高く、書類選考の段階で不利になることもあります。
実際に、入社1ヶ月で退職した28歳の男性は、次の転職活動で30社以上応募しても書類選考を通過できず、転職先が決まるまで半年かかりました。短期退職の理由をうまく説明できなかったことが原因でした。
第二のリスクは「経済的な不安」です。1ヶ月で辞めると、失業保険の受給資格を満たさない可能性があります。また、次の仕事が決まるまでの生活費をどう賄うかという問題も出てきます。貯金が十分にない状態で辞めると、焦って妥協した転職をしてしまうリスクがあります。
第三のリスクは「自信の喪失」です。短期間で辞めたという事実が、自分の判断力や適応力への自信を失わせることがあります。「また失敗するのでは」という恐れから、次の一歩が踏み出せなくなる人もいます。
第四のリスクは「業界内での評判」です。特に狭い業界では、短期退職の情報が広まることがあります。前職の上司や同僚と、次の転職先で関わる可能性もゼロではありません。
第五のリスクは「試用期間中の退職扱い」になることです。多くの企業では入社後3ヶ月程度を試用期間としており、この間の退職は正式な退職金が出なかったり、社会保険の扱いが複雑になったりすることがあります。
これらのリスクを踏まえた上で、それでも辞めるべきかを判断する必要があります。
それでも入社1ヶ月で辞めるべき5つのケース
リスクがあるとはいえ、状況によっては1ヶ月でも辞めるべきケースがあります。以下に該当する場合は、早期退職を真剣に検討すべきです。
第一に「明らかな違法行為や労働基準法違反がある」場合です。残業代の未払い、長時間労働の強要、ハラスメント、安全配慮義務違反など、法律に違反している場合は、すぐに辞めるべきです。健康を害してからでは遅すぎます。
私がサポートした32歳の男性は、入社3週間で月100時間超の残業を強いられ、休日も出勤を命じられました。労働基準監督署に相談し、証拠を集めた上で1ヶ月で退職。次の転職では「労働環境に問題があり、法的措置も検討した」と正直に説明したところ、むしろ「おかしいと気づいて行動できる人」と評価されました。
第二に「心身の健康に深刻な影響が出ている」場合です。不眠、食欲不振、抑うつ状態、パニック発作など、明らかに体調を崩している場合は、キャリアより健康を優先すべきです。うつ病などの精神疾患は、一度発症すると長期の治療が必要になります。
第三に「求人内容と実態があまりにも乖離している」場合です。営業職と聞いていたのに倉庫作業、正社員のはずが実質的に派遣扱い、年収提示と実際の給与が100万円以上違うなど、明らかな詐欺的行為がある場合は、契約の前提が崩れています。
第四に「会社の倒産リスクが高い」場合です。給与の遅延、取引先の大量離脱、経営陣の相次ぐ退職など、明らかに経営が危機的状況にある場合、早めに転職活動を始めた方が賢明です。倒産してから動くより、在職中の方が転職活動は有利です。
第五に「違法行為への加担を強要される」場合です。粉飾決算、脱税、顧客への詐欺的行為など、犯罪に関わることを命じられた場合は、即座に退職すべきです。共犯者になってからでは手遅れです。
これらに該当する場合、「1ヶ月で辞めるのは早すぎる」という常識に縛られる必要はありません。自分の健康と将来を守ることが最優先です。
辞める前に必ず試してほしい4つのこと
ただし、上記のような深刻なケース以外では、辞める前にいくつか試してみることをおすすめします。状況が改善する可能性があるからです。
まず「上司や人事に率直に相談する」ことです。入社1ヶ月の新入社員が悩んでいることを、会社側が気づいていないケースは多いです。「聞いていた仕事と違う」「業務量が多すぎる」などの悩みを伝えることで、配置転換や業務調整をしてもらえる可能性があります。
25歳の女性の例では、入社1ヶ月で「想定と違う部署に配属された」と悩んでいましたが、人事に相談したところ、2ヶ月後に希望部署への異動が決まりました。会社としても、採用コストをかけた人材を簡単に失いたくないため、できる範囲で対応してくれることが多いのです。
次に「もう少し様子を見る期間を設定する」ことです。入社1ヶ月はまだ環境に慣れておらず、全体像が見えていない可能性があります。「あと2ヶ月は頑張ってみて、それでもダメなら辞める」と期限を決めることで、冷静に判断できるようになります。
3ヶ月経つと、仕事の流れが理解でき、人間関係も構築され、評価も見えてきます。最初の印象と変わることもよくあります。
三つ目は「同期や先輩に相談する」ことです。同じ会社で働く人の視点から、あなたの悩みが一時的なものか、構造的な問題かを判断できます。先輩社員に「最初はどうでしたか」と聞くことで、乗り越え方のヒントが得られるかもしれません。
最後に「転職エージェントに相談する」ことです。辞める決断をする前に、客観的な第三者の意見を聞くことは有効です。エージェントは多くの転職事例を見ているため、あなたの状況が「辞めるべきレベル」かどうか、的確にアドバイスしてくれます。
また、仮に辞めることになった場合、次の転職活動の戦略を早めに立てられるメリットもあります。
実際に中途入社1ヶ月で辞めた人の体験談
ここで、実際に入社1ヶ月で退職した人たちの事例を紹介します。成功例と失敗例、両方を見ることで、あなたの判断材料にしてください。
【成功例1:ブラック企業からの脱出】 29歳、男性、IT業界。大手SIerから中小IT企業に転職したものの、入社初日から毎日終電、休日出勤も当たり前という状況でした。求人では「残業月30時間」と書いてあったのに、実際は月100時間超。
彼は入社2週間で労働基準監督署に相談し、証拠となるタイムカードのコピーを取得。1ヶ月で退職を申し出ました。退職理由は「労働環境が求人内容と著しく乖離していた」と明確に説明。
次の転職活動では、この経験を「おかしいと思ったら行動できる判断力」としてアピール。結果、3ヶ月後に大手企業から内定を得て、年収も100万円アップしました。ポイントは「被害者として泣き寝入りせず、証拠を集めて論理的に説明した」ことです。
【成功例2:ミスマッチの早期発見】 34歳、女性、マーケティング職。スタートアップ企業に「マーケティングマネージャー」として入社しましたが、実際は雑務と営業サポートばかり。経営陣に相談するも「最初はみんなそういうものだ」と取り合ってもらえませんでした。
彼女は冷静に「このまま1年続けても、履歴書に書けるスキルが身につかない」と判断。1ヶ月で退職し、転職エージェントに正直に状況を説明しました。エージェントの助言で「ミスマッチによる早期退職」として、面接では前向きな退職理由を用意。
2ヶ月後、大手企業のマーケティング部門に転職成功。面接では「ミスマッチに早く気づけたことは、自己分析ができている証拠」と評価されました。
【失敗例1:感情的な退職】 27歳、男性、営業職。「上司と合わない」という理由で、入社1ヶ月で退職届を叩きつけて辞めました。次の仕事も決めずに辞めたため、生活費に困窮。焦って応募した会社も、またブラック企業で、短期退職を繰り返すことに。
履歴書に2回の短期退職が並び、転職活動は難航。結果的に、前職よりも条件の悪い会社に妥協して入社することになりました。失敗の原因は「冷静な判断をせず、感情的に辞めたこと」と「次の準備をしていなかったこと」です。
【失敗例2:理由の説明不足】 31歳、女性、経理職。入社1ヶ月で「仕事内容が合わない」と辞めましたが、次の転職活動で「なぜ1ヶ月で合わないと判断できたのか」を論理的に説明できませんでした。
面接官からは「忍耐力がない」「自己分析が甘い」と判断され、20社以上落ち続けました。結果、転職先が決まるまで8ヶ月かかり、その間の空白期間も不利に働きました。
これらの事例から分かるのは、「辞めること自体」が問題なのではなく、「辞め方」と「説明の仕方」が重要だということです。
入社1ヶ月で円満に辞めるための具体的手順
辞めることを決めた場合、どのように進めればスムーズに退職できるのか、具体的な手順を解説します。
ステップ1は「就業規則の確認」です。多くの会社では「退職は1ヶ月前までに申し出る」と規定されていますが、試用期間中は2週間前で良い場合もあります。まず就業規則を確認しましょう。法律上は、2週間前に申し出れば退職できます。
ステップ2は「直属の上司への報告」です。いきなり人事部に行くのではなく、まず直属の上司にアポを取り、個室で話します。「お時間をいただけますか。大事な話があります」と前置きして、「一身上の都合により、退職させていただきたい」と伝えます。
このとき、感情的にならず、冷静に、しかし決意は固いという態度で臨むことが重要です。引き止められる可能性が高いですが、すでに決めたことであれば、丁寧に断りましょう。
ステップ3は「退職理由の準備」です。正直に全てを話す必要はありませんが、「一身上の都合」だけでは納得してもらえないこともあります。「家庭の事情」「体調不良」「キャリアプランの見直し」など、ある程度の理由は用意しておくと良いでしょう。
ただし、嘘をつくと後で辻褄が合わなくなるので、本当のことをオブラートに包んで伝えるのがベストです。
ステップ4は「退職日の調整」です。会社側の都合と自分の都合を調整して、退職日を決めます。引き継ぎがある場合は、最低限の引き継ぎ期間を確保しましょう。1ヶ月での退職なので引き継ぐほどの業務はないかもしれませんが、礼儀として引き継ぎ資料を作成するなど、誠意を見せることが大切です。
ステップ5は「退職届の提出」です。口頭での合意が取れたら、正式に退職届を提出します。書式は会社指定のものがあればそれを使い、なければインターネットで検索できるテンプレートを使用しましょう。
ステップ6は「最終日までの過ごし方」です。辞めることが決まっても、最終日までは誠実に仕事に取り組みましょう。「どうせ辞めるから」という態度は、会社の印象を悪くし、業界内での評判を下げる可能性があります。
最終日には、お世話になった方々に挨拶をし、会社の備品を返却し、必要書類を受け取ります。特に、離職票、源泉徴収票、雇用保険被保険者証などは、次の転職や失業保険の手続きに必要なので、必ず受け取りましょう。
円満退職できれば、万が一業界内で再び関わることがあっても問題ありませんし、心理的にも次のステップに進みやすくなります。
次の転職活動への影響と対策
入社1ヶ月での退職が、次の転職活動にどう影響するのか、そして、どう対策すればいいのかを解説します。
まず現実を直視しましょう。1ヶ月での退職は、次の転職活動で必ずマイナス材料になります。書類選考の段階で落とされるケースもあります。しかし、説明の仕方次第で、マイナスを最小限に抑えることは可能です。
対策の第一は「履歴書・職務経歴書の書き方」です。1ヶ月の職歴を隠すことはできませんし、隠すべきでもありません。正直に書いた上で、退職理由を簡潔に記載します。
例えば「求人内容と実態の乖離により、早期に退職を決断」「労働環境が健康に影響を及ぼす状況だったため」など、客観的事実として書きます。感情的な表現や、前職の悪口は絶対に書いてはいけません。
対策の第二は「面接での説明の仕方」です。面接で必ず聞かれるので、事前に回答を準備しておきます。ポイントは以下の3つです。
- 事実を簡潔に述べる(「求人内容と実態が異なり」「労働環境に問題があり」など)
- 自分の判断基準を示す(「健康を優先した」「キャリアプランと合わなかった」など)
- 今後の前向きな姿勢を伝える(「次はしっかり企業研究をして」「長く貢献できる会社を」など)
悪い例:「上司がひどくて、同僚も冷たくて、仕事もつまらなくて辞めました」 良い例:「入社後、求人票の内容と実際の業務に大きな乖離があることが分かりました。具体的には、マーケティング職として採用されましたが、実際は営業サポート業務が中心でした。会社側に相談しましたが改善は難しいとのことで、お互いのためにならないと判断し、早期に退職を決断しました。今回の経験から、企業研究の重要性を痛感し、次は長期的に貢献できる環境かどうかを慎重に見極めたいと考えています」
対策の第三は「転職エージェントの活用」です。1ヶ月での退職歴がある場合、一人で転職活動をするより、エージェントのサポートを受けた方が成功率が高まります。
エージェントは、あなたの事情を理解した上で、それを受け入れてくれる企業を紹介してくれますし、面接対策もしてくれます。短期退職に理解のある企業を知っているのも、エージェントの強みです。
対策の第四は「スキルアップの証明」です。退職後、次の仕事が決まるまでの間に、資格取得やスキルアップに励むことで「前向きに時間を使っている」ことをアピールできます。空白期間が無駄ではなかったことを示せれば、印象は改善します。
対策の第五は「応募する企業の選び方」です。大手企業や歴史ある企業よりも、スタートアップやベンチャー、中小企業の方が、短期退職に対して柔軟な傾向があります。また、人手不足の業界では、経歴よりもスキルや意欲を重視してくれることもあります。
実際に、入社1ヶ月で退職した26歳の男性は、転職エージェント経由で10社に応募し、3社から面接に呼ばれ、そのうち1社から内定を得ました。エージェントが事前に退職理由を説明してくれたことで、理解のある企業とマッチングできたのです。
まとめ:あなたが今、取るべき行動
中途入社1ヶ月で辞めることは、リスクもデメリットもあります。しかし、状況によっては、辞めることが正しい選択であるケースも確実に存在します。
大切なのは、感情だけで判断せず、冷静に状況を分析することです。以下のチェックリストで、自分の状況を整理してみてください。
【辞めるべきかのチェックリスト】
- 違法行為や労基法違反がある → すぐ辞めるべき
- 心身の健康に明らかな影響が出ている → 辞めるべき
- 求人内容と実態が著しく乖離している → 辞める方向で検討
- 会社の経営が危機的状況 → 辞める方向で検討
- 人間関係が悪いが違法ではない → もう少し様子を見る
- 仕事が想像と違ったが改善の余地あり → 上司に相談してから判断
- 単に疲れた、つらい → 休暇を取って冷静になってから判断
もし辞めることを決めたなら、以下の行動を順番に進めてください。
- 就業規則を確認する
- 転職エージェントに相談する(退職前でもOK)
- 直属の上司に退職の意思を伝える
- 退職日を調整し、退職届を提出する
- 引き継ぎと挨拶を丁寧に行う
- 次の転職活動の準備を始める(面接対策、スキルアップなど)
逆に、もう少し頑張ってみる場合は、以下を試してください。
- 上司や人事に率直に相談する
- 「あと2ヶ月は様子を見る」と期限を決める
- 同期や先輩に話を聞く
- 転職エージェントに客観的意見をもらう
- 自分のキャリアプランを改めて整理する
どちらを選ぶにしても、あなた自身の健康とキャリアを最優先に考えてください。他人の目や「1ヶ月で辞めるなんて」という常識に縛られる必要はありません。
転職は人生の大きな決断ですが、一度の失敗が全てを決めるわけではありません。大切なのは、失敗から学び、次に活かすことです。入社1ヶ月での退職という経験も、きっとあなたのキャリアにとって意味のあるものになるはずです。
この記事が、あなたの判断の助けになれば幸いです。どんな選択をするにしても、応援しています。
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