試用期間中に休んでしまった…このまま解雇されるのでは?
「試用期間中なのに体調を崩してしまった」「どうしても休まないといけない用事ができた」——そんな時、真っ先に頭をよぎるのは「これで解雇されるのでは?」という不安ではないでしょうか。
試用期間は企業があなたを評価する期間であると同時に、あなたも会社を見極める期間です。しかし、誰にでも体調不良や急な事情は起こりうるもの。欠勤したからといって、すぐに本採用を見送られるわけではありません。
ただし、試用期間中の欠勤には通常時とは異なる注意点があるのも事実です。
この記事で分かること:
- 試用期間中の欠勤に法律上の明確な日数制限はあるのか
- 何日休むと本採用に影響が出るのか(企業の実態)
- 欠勤理由による評価の違い
- 休む際の正しい連絡方法と対処法
- 実際のケーススタディと失敗例・成功例
試用期間中の欠勤に不安を感じているあなたが、正しい知識を持って適切に対応できるよう、人事経験者の視点も交えて詳しく解説します。
試用期間中の欠勤|法律上の明確な日数制限はない
まず結論からお伝えすると、試用期間中に「何日まで欠勤できる」という法律上の明確な基準は存在しません。
労働基準法では、試用期間中であっても労働者としての権利は保護されています。正当な理由がある欠勤(病気、怪我、家族の緊急事態など)を理由に、一方的に解雇することは原則として認められていません。
ただし、試用期間には「解約権留保付労働契約」という性質があり、通常の雇用契約よりも企業側の解約(本採用見送り)の自由度が高いのも事実です。
法律上のポイント:
- 試用期間中も労働契約は成立している
- 不当な解雇は認められない
- ただし「客観的に合理的な理由」があれば本採用見送りは可能
- 試用期間が14日を超える場合、解雇には30日前の予告または予告手当が必要
つまり、「〇日休んだら自動的にアウト」という基準はないものの、欠勤の頻度や理由、勤務態度などを総合的に判断して、企業は本採用を見送ることができるということです。
企業の実態|何日休むと本採用に影響するのか
法律上の基準がない一方で、企業側には「どの程度まで欠勤を許容するか」という実質的な判断基準があります。
人事担当者の本音(複数社へのヒアリングより):
「試用期間3ヶ月で3日以上の欠勤があると、正直気になります。特に理由が曖昧だったり、連絡が遅かったりすると、本採用の判断材料になります」(IT企業・人事部長)
「病気やケガなど仕方ない理由なら、5日程度までは大目に見ます。ただし、診断書の提出を求めることもあります」(製造業・採用担当者)
一般的な目安(あくまで目安です):
- 1〜2日の欠勤: 正当な理由と適切な連絡があればほぼ問題なし
- 3〜5日の欠勤: 理由次第。継続的な体調不良などは診断書提出を求められることも
- 6日以上の欠勤: 本採用に影響する可能性が高い。長期療養が必要な場合は早めに相談を
- 10日以上の欠勤: かなり厳しい。休職制度の適用や、契約の見直しになるケースも
欠勤日数よりも重視されるポイント:
- 欠勤の理由が正当かどうか
- 事前連絡・事後報告がしっかりできているか
- 出勤日の勤務態度や成果
- 欠勤が連続しているか、散発的か
- 回復後のキャッチアップ姿勢
つまり、単純に日数だけでなく、「総合的な信頼性」が評価されているのです。
欠勤理由による評価の違い|やむを得ない理由と問題視される理由
同じ欠勤でも、理由によって企業の受け止め方は大きく異なります。
やむを得ない理由として受け入れられやすいケース:
-
体調不良・病気
- インフルエンザ、急性胃腸炎など感染症
- 突発的な発熱や体調不良
- 持病の悪化(事前に伝えておくことが重要)
-
ケガ・事故
- 通勤中の事故
- 急な怪我による通院
-
家族の緊急事態
- 家族の急病・事故
- 冠婚葬祭(特に近親者)
-
自然災害・交通機関の大幅な遅延
- 台風、大雪などによる交通麻痺
- 地震などの災害
問題視されやすい理由:
-
理由が曖昧・不明確
- 「ちょっと体調が…」と毎回同じ説明
- 具体的な症状を言わない
-
事後連絡・無断欠勤
- 休んだ後に連絡する
- そもそも連絡がない
-
頻繁な欠勤
- 毎週のように「月曜日が体調不良」
- 週末明けや金曜日に集中している
-
プライベート都合の優先
- 友人との約束
- 趣味のイベント
- 「なんとなく休みたい」
実例:28歳男性・営業職のケース
試用期間2ヶ月目に、インフルエンザで5日間欠勤。事前に上司に電話で連絡し、診断書も提出。復帰後は「ご迷惑をおかけしました」と誠実に対応し、遅れた業務を積極的にキャッチアップ。結果、無事に本採用となり、上司からは「対応がしっかりしていた」と評価された。
失敗例:25歳女性・事務職のケース
試用期間3ヶ月で計6日欠勤。理由は毎回「体調不良」だったが、具体的な説明がなく、診断書の提出もなし。連絡も始業時間ギリギリにメールで済ませることが多かった。出勤日の勤務態度にも問題があり、試用期間満了で本採用見送りに。人事担当者は「欠勤自体よりも、対応の仕方と全体的な勤務姿勢を総合的に判断した」とコメント。
試用期間中に欠勤する際の正しい対処法
欠勤が避けられない場合、対応の仕方で評価は大きく変わります。
1. できるだけ早く、直接電話で連絡する
メールやLINEではなく、電話で直接上司に連絡するのが基本です。
連絡のタイミング:
- 始業時間の30分〜1時間前までに
- 前日の夜に体調不良が分かっている場合は、前日のうちに連絡
- どうしても連絡が難しい場合は、家族に代わりに連絡してもらう
伝えるべき内容:
- 欠勤の理由(具体的に)
- 復帰の見込み(「本日休みます」「明日は出勤できると思います」)
- 業務の引き継ぎや緊急対応の確認
- 謝罪の言葉
電話での伝え方例:
「おはようございます。〇〇です。申し訳ございません。昨夜から38度の熱があり、本日お休みをいただけないでしょうか。病院を受診して、明日の状況をまたご連絡いたします。本日予定していた△△の件は、××さんに引き継ぎをお願いできればと思いますが、いかがでしょうか」
2. 医師の診断書を準備する(3日以上の場合)
3日以上の欠勤になる場合や、会社から求められた場合は、医師の診断書を提出しましょう。
診断書取得のポイント:
- 受診した医療機関で「診断書をお願いします」と伝える
- 費用は自己負担(2,000〜5,000円程度)
- 会社によっては、診断書の代わりに領収書でもOKな場合がある
3. 復帰後は誠実な対応を心がける
欠勤明けの対応が、その後の評価を左右します。
復帰初日にすべきこと:
- 上司や関係者に直接謝罪とお礼を伝える
- 休んでいる間の業務状況を確認
- 遅れた業務を積極的にキャッチアップする計画を立てる
- 必要であれば診断書を提出
4. 事前に相談できる関係を作っておく
試用期間中から、上司や人事と良好な関係を築いておくことが重要です。
- 持病がある場合は入社時に伝えておく
- 定期通院が必要な場合は事前に相談
- 日頃からコミュニケーションを大切にする
試用期間中の有給休暇について知っておくべきこと
「試用期間中でも有給休暇は使えるの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
試用期間中の有給休暇の基本:
労働基準法では、入社から6ヶ月経過後に有給休暇が付与されます。つまり、試用期間が3ヶ月の場合、試用期間中は有給休暇はまだ発生していません。
試用期間中に休む場合の扱い:
- 基本的に「欠勤」扱い
- 欠勤分の給与は控除される(ノーワーク・ノーペイの原則)
- 一部企業では、試用期間中でも特別休暇を認める場合もある
例外:入社時に有給付与する企業
近年、人材確保のため、入社時から有給を付与する企業も増えています。
「入社日から5日間の有給を付与」 「試用期間中も月1日の特別休暇を認める」
このような制度がある場合は、就業規則や入社時の説明を確認しましょう。
32歳男性・エンジニアの実例:
試用期間2ヶ月目に父親が急病で入院。有給はまだなかったが、上司に事情を説明したところ、「特別休暇」として3日間の休暇を認めてもらえた。会社の柔軟な対応に感謝し、その後の勤務でも全力で貢献。試用期間終了後、正式に本採用となった。
こんな時どうする?ケース別対処法Q&A
Q1. 試用期間初日に体調不良で休んでしまった場合
A. できるだけ避けたいところですが、本当に体調が悪い場合は無理に出社せず、丁寧に連絡しましょう。
対処法:
- 前日に少しでも不調を感じたら、早めに連絡
- 初日に欠勤する旨を正直に伝え、深く謝罪
- できれば翌日は必ず出社できるよう、しっかり療養
- 出勤後は、第一印象を取り戻すつもりで積極的に業務に取り組む
初日の欠勤は印象が良くないのは事実ですが、その後の態度で挽回は十分可能です。
Q2. 持病があって定期的に通院が必要な場合
A. 必ず入社前または入社時に人事・上司に相談しましょう。
伝え方のポイント:
- 病名と通院頻度を正直に伝える
- 業務への影響の有無を説明
- 通院日を事前に調整できることを伝える
- 必要であれば診断書を提出
隠して入社し、後から頻繁に休むと、信頼関係が崩れます。事前に伝えておけば、企業側も配慮してくれるケースが多いです。
Q3. メンタル不調で休みがちになってしまった場合
A. 早めに産業医や人事に相談することが重要です。
対処の流れ:
- メンタルクリニックを受診
- 診断書を取得
- 人事部門に相談
- 必要に応じて休職制度の利用を検討
- 無理な出勤は状態を悪化させるため避ける
試用期間中でも、労働者の健康は守られるべきものです。我慢せず、早めに専門家に相談しましょう。
Q4. 家族の看病で数日休む必要がある場合
A. 事情を丁寧に説明し、可能な範囲で代替案を提案しましょう。
対応例: 「母が急病で入院し、3日ほどお休みをいただきたいのですが、午前中だけ出社して午後から病院に行くなど、調整も可能です」
看病は誰にでも起こりうることなので、誠実に対応すれば理解を得られることが多いです。
Q5. 無断欠勤してしまった場合
A. 即座に連絡し、誠実に謝罪しましょう。
やるべきこと:
- 気づいた時点で即座に電話
- 言い訳せず、まず謝罪
- 理由を正直に説明
- 今後の対策を伝える
- 出勤後、直接謝罪
無断欠勤は最も印象が悪い行為です。一度のミスでも本採用見送りになる可能性があるため、絶対に避けましょう。
欠勤が続く場合の選択肢|休職・退職・契約解除
試用期間中に長期の欠勤が必要になった場合、いくつかの選択肢があります。
1. 休職制度の利用を相談する
企業によっては、試用期間中でも休職を認めるケースがあります。
相談のポイント:
- 医師の診断書を用意
- 回復の見込みと期間を伝える
- 休職後の復帰意思を明確に示す
ただし、試用期間中の休職は認められないケースも多いため、人事に確認が必要です。
2. 試用期間の延長を申し出る
欠勤により評価が不十分な場合、試用期間を延長してもらう選択肢もあります。
「体調不良で欠勤が多く、十分に力を発揮できていません。試用期間を延長していただき、改めて評価いただくことは可能でしょうか」
企業側も、ポテンシャルを感じている人材なら、延長に応じてくれる可能性があります。
3. 自己都合での退職を検討
長期療養が必要で、回復の見込みが立たない場合は、退職も選択肢です。
退職を選ぶべきケース:
- 数ヶ月単位の療養が必要
- 現職の業務内容が体調に合わない
- メンタル不調が職場環境に起因している
無理に続けて状態を悪化させるより、一度リセットして療養に専念する方が、長期的にはプラスになることもあります。
4. 企業側からの契約解除(本採用見送り)
欠勤が多く、業務遂行能力に疑問がある場合、企業から契約解除を告げられることもあります。
解除が妥当とされるケース:
- 試用期間の半分以上を欠勤している
- 欠勤理由が不明確・虚偽
- 連絡が不誠実
- 出勤日の勤務態度も問題がある
ただし、不当な解雇は認められないため、納得できない場合は労働基準監督署や弁護士に相談することも可能です。
試用期間中の欠勤を最小限にするための予防策
そもそも欠勤を減らすことが、最も確実な本採用への道です。
体調管理の基本:
-
睡眠時間の確保
- 試用期間は緊張とストレスで体調を崩しやすい
- 最低6〜7時間の睡眠を心がける
-
栄養バランスの取れた食事
- 忙しくても朝食は抜かない
- ビタミン・ミネラルを意識して摂取
-
適度な運動
- 通勤で歩く距離を増やす
- 週末は軽い運動を取り入れる
-
ストレス管理
- 一人で抱え込まない
- 趣味の時間を確保
- 必要なら専門家に相談
職場での予防策:
-
分からないことはすぐ質問
- ミスを防ぎ、ストレスを軽減
- コミュニケーションも円滑に
-
無理なスケジュールは相談
- キャパオーバーは体調不良の元
- 早めに上司に相談
-
職場の人間関係を大切に
- 孤立はメンタル不調につながる
- 積極的にコミュニケーション
-
手洗い・マスクで感染症予防
- 特に冬季はインフルエンザに注意
- 予防接種も検討
まとめ|試用期間の欠勤は対応次第で評価が変わる
試用期間中の欠勤について、重要なポイントをまとめます。
押さえておくべき5つのポイント:
-
法律上「何日まで」という明確な基準はない
- ただし企業には実質的な判断基準がある
- 目安として3日以内なら大きな問題にならないケースが多い
-
日数よりも「理由」と「対応」が重視される
- 正当な理由なら理解を得られやすい
- 早めの連絡と誠実な対応が評価を左右
-
欠勤は必ず電話で、始業前に連絡
- メールやLINEは避ける
- 具体的な理由と復帰見込みを伝える
-
診断書は3日以上の場合に準備
- 客観的な証明があると信頼性が増す
- 会社によっては必須の場合も
-
復帰後の態度で挽回は可能
- 謝罪と感謝をしっかり伝える
- 遅れた業務を積極的にキャッチアップ
- 出勤日は通常以上に真摯に業務に取り組む
不安な時は早めに相談を
試用期間中の欠勤で不安を感じている方は、一人で抱え込まず、まずは上司や人事に相談してみましょう。多くの企業は、誠実な対応をする社員を評価し、サポートしてくれるものです。
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