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30代で中途採用後1年での退職は不利?判断基準と転職成功の現実

「転職して1年も経っていないのに、もう辞めたい…」

30代で新しい会社に入社したものの、想像していた環境と違った。人間関係が合わない。仕事内容が聞いていた話と違う。そんな理由で、入社1年以内での退職を考えているあなた。

「でも、1年で辞めたら次の転職が不利になるんじゃないか」「30代でこんなに早く辞めたら、キャリアに傷がつくんじゃないか」――そんな不安で身動きが取れなくなっていませんか。

結論から言うと、30代で入社1年での退職は確かにリスクがあります。しかし、状況によっては「早期退職が正解」というケースも実際に存在します。大切なのは、あなたの状況を冷静に見極めることです。

この記事では、人材業界で15年以上キャリアアドバイザーとして働いてきた経験から、30代で中途採用後1年での退職について、リスクと現実、判断基準、そして実際に1年で辞めた方の成功例・失敗例まで、包み隠さずお伝えします。

読み終わる頃には、あなたが今すぐ辞めるべきか、もう少し踏みとどまるべきか、冷静な判断ができるようになっているはずです。

目次

30代で1年以内に退職するリスクの現実

まず、厳しい現実からお伝えします。30代で中途採用後1年以内の退職は、転職市場において決して有利ではありません。

採用企業の人事担当者は、短期離職の経歴を見ると「この人はまたすぐ辞めるのではないか」と疑います。これは統計的な根拠もあります。厚生労働省の調査によると、1年以内に離職した人の約40%が、次の職場でも3年以内に離職しているというデータがあります。

企業側からすれば、採用には多大なコストがかかります。求人広告費、面接官の時間、入社後の研修費用――中途採用者一人あたり、平均で50万円から100万円程度のコストがかかると言われています。

そのため、「すぐ辞めるリスクがある人材」は避けたいというのが本音です。特に30代は、20代と違って「若さ」や「ポテンシャル」で評価されにくい年代。即戦力としての実績やスキルが求められるため、短期離職の経歴は大きなマイナス要素になります。

具体的なリスクとしては、以下のようなものがあります。

書類選考の通過率が下がる

1年以内の短期離職が職務経歴書に記載されていると、書類選考の段階で落とされる確率が高くなります。特に、大手企業や人気企業では、応募者が多いため、リスク要因がある候補者は早期に選考から外されてしまいます。

実際、私がサポートした35歳の営業職の方は、転職後10ヶ月で退職し、次の転職活動で30社以上応募して書類選考を通過したのはわずか3社でした。「1年未満の離職」が足かせになっていたのは明らかでした。

面接で厳しい質問をされる

仮に書類選考を通過しても、面接では必ず「なぜ1年で辞めたのか」を追及されます。この質問に対して、納得できる説明ができなければ、内定は得られません。

「人間関係が合わなかった」「仕事が思っていたのと違った」といった理由は、面接官からすれば「またうちでも同じ理由で辞めるのでは?」と思われてしまいます。

年収が下がる可能性

短期離職の経歴があると、企業側は「リスクがあるから、最初は様子見」という姿勢になりがちです。その結果、提示される年収が前職より下がるケースも少なくありません。

32歳のITエンジニアの方は、年収550万円の会社を11ヶ月で退職し、次の転職では年収480万円からのスタートになりました。「本来のスキルなら600万円以上の価値があるのに、短期離職がネックになった」と本人も悔しがっていました。

転職回数としてカウントされる

1年以内の在籍でも、職務経歴書には記載する必要があります(社会保険の加入記録などで後からバレるリスクがあるため)。これが転職回数としてカウントされ、「30代で転職回数が多い人」というレッテルを貼られる可能性があります。

それでも辞めるべき4つの状況

ただし、リスクがあるからといって、どんな状況でも「1年は我慢すべき」というわけではありません。以下のような状況では、むしろ早期退職が正解です。

心身の健康を害している場合

これは最優先事項です。パワハラやモラハラを受けている、長時間労働で体調を崩している、精神的に追い詰められているなら、1年を待たずに退職すべきです。

34歳の女性事務職の方は、入社5ヶ月で上司からのパワハラにより適応障害を発症しました。彼女は7ヶ月目で退職を決断。次の転職活動では「健康上の理由で退職した」と正直に伝え、理解ある企業に転職できました。

キャリアアドバイザーとして断言します。健康を失ってからでは遅いのです。「あと○ヶ月我慢すれば」と思っているうちに、取り返しのつかない状態になったケースを何度も見てきました。

法令違反や倫理的に問題がある企業

残業代の未払い、社会保険未加入、違法な業務命令などがある場合も、早期退職を検討すべきです。こうした企業に長く在籍しても、あなたのキャリアにプラスにはなりません。

31歳の営業職の男性は、入社後に「契約書に虚偽の記載をするよう」指示され、9ヶ月で退職しました。面接では「企業のコンプライアンス意識に疑問を感じた」と説明し、誠実さを評価されて大手企業に転職できました。

明らかなミスマッチで改善の見込みがない

募集要項と実際の業務内容が大きく異なる、約束されていた条件が守られていない、といった明確なミスマッチがある場合です。

37歳のマーケティング職の方は、「新規事業のマーケティング責任者」として採用されたはずが、実際は既存商品の販売サポート業務ばかり。何度も上司に相談しましたが改善されず、10ヶ月で退職を決断しました。

次の面接では「採用時の条件と実態が異なり、自分のスキルを活かせる環境ではなかった」と具体的に説明。同じマーケティング職で、より好条件の企業に転職できました。

会社の経営状況が急激に悪化している

入社後に会社の業績が急激に悪化し、倒産リスクや大規模リストラの可能性がある場合も、早期退職を検討すべきです。

33歳の経理職の方は、入社8ヶ月目に会社が債務超過に陥っていることを知りました。「沈む船に乗り続けるリスク」を考え、早期退職を決断。面接では「会社の経営状況を踏まえた戦略的なキャリア判断」として説明し、理解を得られました。

踏みとどまって考えるべき状況

一方で、以下のような理由での退職は、もう少し慎重に考えた方が良いでしょう。

人間関係の不満だけの場合

「上司と合わない」「同僚と馴染めない」だけが理由なら、もう少し工夫の余地があります。部署異動の可能性、コミュニケーション方法の改善、割り切った関係性の構築など、試せることはあるはずです。

人間関係は、どの職場でも多かれ少なかれ発生する問題です。これを理由に何度も転職を繰り返すと、「対人スキルに問題がある人」と見なされるリスクがあります。

仕事が思ったより大変だった場合

「想像以上に忙しい」「業務量が多い」といった理由だけなら、もう少し頑張ってみる価値があります。最初の1年は誰でも慣れないもの。2年目以降、効率が上がってくることも多いのです。

ただし、明らかに異常な労働時間(月80時間以上の残業が常態化しているなど)であれば、これは健康問題になるため、退職を検討すべきです。

漠然とした不満の場合

「なんとなく違う」「もっといい会社があるはず」といった漠然とした理由での退職は危険です。次の会社でも同じことを繰り返す可能性が高いからです。

具体的に何が不満なのか、それは解決可能な問題なのか、次の会社では本当に解決されるのか――冷静に分析してから判断しましょう。

1年で辞めた場合の転職活動の現実と対策

もし退職を決断した場合、次の転職活動でどう対処すべきか。実践的なアドバイスをお伝えします。

退職理由は正直に、でも前向きに

面接では必ず「なぜ1年で辞めたのか」を聞かれます。ここで嘘をつくのは厳禁です。後で発覚すれば信用を失います。

ただし、正直に伝える際のポイントがあります。

悪い例:「上司と合わなくて辞めました」 良い例:「業務内容が採用時の説明と大きく異なり、自分のスキルを活かせる環境ではないと判断しました。御社では○○の経験を活かして貢献したいと考えています」

悪い例:「残業が多くて辞めました」 良い例:「月100時間を超える残業が常態化しており、健康面でのリスクを考慮して退職を決断しました。ワークライフバランスを保ちながら、長期的に貢献できる環境を求めています」

ポイントは、①事実を簡潔に伝える、②自分の非ではないことを示す、③前向きな理由を添える、の3点です。

職務経歴書の書き方を工夫する

短期離職を目立たせないための工夫も必要です。

職務経歴書では、1年未満の在籍期間を記載する際、その会社で得たスキルや成果も必ず書きましょう。「短期間でも実績を出した」ことをアピールできれば、マイナス印象を和らげられます。

例: 「○○株式会社(2023年4月〜2024年2月) 営業職として入社。新規開拓営業を担当し、10ヶ月で新規契約15件を獲得。目標達成率120%を記録。ただし、採用時の条件と実際の業務内容に大きな乖離があり、自身のキャリアプランとの整合性を考慮し退職」

このように、短期間でも成果を出したことを示すと、印象が変わります。

転職エージェントを活用する

1年以内の短期離職がある場合、転職エージェントの活用は特に重要です。エージェントは、あなたの状況を理解した上で、短期離職に理解がある企業や、人物重視の採用をしている企業を紹介してくれます。

また、面接対策でも「1年で辞めた理由をどう説明するか」を一緒に考えてくれるため、成功率が上がります。

私自身、エージェントとして多くの短期離職者をサポートしてきましたが、適切な準備と企業選びで、ほとんどの方が転職に成功しています。

実際のケーススタディ:成功例と失敗例

ここで、実際に30代で1年以内に退職した方のケースを紹介します。

成功例1:ITエンジニア、34歳男性

この方は、中小企業から大手IT企業に転職しましたが、入社後に「開発業務」ではなく「保守業務」ばかり任されることが判明。何度も上司に相談しましたが改善されず、11ヶ月で退職を決断しました。

次の転職活動では、転職エージェントを通じて「成長環境を求めた戦略的な転職」として説明。面接では、短期間でも取り組んだプロジェクトの成果を具体的に説明し、技術力をアピールしました。

結果、ベンチャー企業のテックリードとして転職に成功。年収も50万円アップしました。

成功のポイント: ・退職理由が明確で納得できる内容だった ・短期間でも成果を出していた ・次のキャリアプランが明確だった

失敗例1:営業職、36歳男性

この方は、人間関係の不満から入社9ヶ月で退職。次の転職活動で、面接官から「なぜ辞めたのか」と聞かれ、「上司と合わなかった」と正直に答えてしまいました。

面接官からは「またうちでも同じことが起きるのでは?」と懸念され、10社以上受けても内定が出ませんでした。

失敗の原因: ・退職理由の説明が不十分だった ・他責思考に見えてしまった ・次に何を実現したいのかが不明確だった

その後、転職エージェントのアドバイスを受けて説明方法を改善。「組織文化とのミスマッチを早期に認識し、自分が貢献できる環境を求めた」という説明に変更したところ、内定を獲得できました。

成功例2:マーケティング職、32歳女性

この方は、「マーケティングマネージャー」として採用されたはずが、実際は事務作業ばかり。8ヶ月で退職を決断しました。

次の転職活動では、「職務内容の明確なミスマッチ」を冷静に説明。面接では、前職で短期間ながらも企画した施策の成果データを提示し、実力をアピールしました。

結果、外資系企業のマーケティング職として転職に成功。年収も100万円以上アップしました。

成功のポイント: ・客観的な事実を基に説明した ・成果を数字で示せた ・自分の市場価値を理解していた

退職を決断する前にやるべきこと

1年で辞めることを決断する前に、以下のことを必ず確認してください。

社内で改善の努力をしたか

上司や人事に相談しましたか?部署異動の可能性を探りましたか?改善のための努力をせずに辞めると、面接で「問題解決能力がない」と見なされるリスクがあります。

「改善の努力をしたが、状況が変わらなかった」という事実があれば、退職理由の説得力が増します。

次のキャリアプランは明確か

「今の会社を辞めたい」だけでなく、「次に何を実現したいか」が明確でなければ、転職は成功しません。

自己分析をして、あなたの強みは何か、どんな環境で力を発揮できるか、5年後にどうなっていたいか――しっかり考えてから行動しましょう。

経済的な準備はできているか

転職活動には時間がかかります。特に短期離職の経歴がある場合、通常より長引く可能性があります。

最低でも3ヶ月、できれば6ヶ月分の生活費を貯蓄してから退職することをおすすめします。焦って転職先を決めると、また同じことを繰り返すリスクがあります。

30代だからこそ慎重に、でも恐れすぎない

30代で1年以内の退職は、確かにリスクがあります。しかし、状況によっては「早期退職が正解」というケースも確実に存在します。

大切なのは、感情的に決めるのではなく、冷静に状況を分析することです。

あなたの退職理由は何ですか? それは改善可能な問題ですか? 健康を害するリスクはありませんか? 次のキャリアプランは明確ですか?

これらの問いに自信を持って答えられるなら、1年での退職も選択肢の一つです。

逆に、「なんとなく嫌だから」「もっといい会社があるはず」といった漠然とした理由なら、もう少し冷静に考える時間を持ちましょう。

30代は、20代のように勢いだけで転職できる年代ではありません。でも同時に、40代、50代と比べればまだまだ選択肢が多い年代でもあります。

リスクを理解した上で、冷静に判断し、行動する。それができれば、1年での退職も、あなたのキャリアにとってプラスに転じることができます。

もし今、退職すべきか悩んでいるなら、まずは転職エージェントに相談してみることをおすすめします。第三者の客観的な視点が、あなたの判断を助けてくれるはずです。

あなたのキャリアは、あなた自身が決めるものです。周りの目を気にしすぎず、でも慎重に、最善の選択をしてください。応援しています。

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