「正社員になれば安心」そう思っていたのに…
「派遣事務から正社員になりたい」 「でも転職して後悔したらどうしよう…」
毎月の契約更新に不安を感じ、ボーナスも退職金もない派遣生活に限界を感じて、正社員への転職を決意したあなた。でも、転職サイトの口コミを見ると「事務職に転職したけど年収が上がらない」「思っていた仕事と違った」という声があふれていて、不安が消えませんよね。
実は、派遣事務から正社員への転職で後悔する人には、明確な共通点があります。
この記事では、派遣から正社員への転職で失敗しないために知っておくべきこと、そして事務職転職で年収が上がらない理由と対策を、具体例を交えてお伝えします。転職前に自己判断できるチェックリストも用意しましたので、「自分は向いているのか?」を冷静に見極めてください。
読み終わる頃には、漠然とした不安が消え、自分にとって最適な選択肢が見えてくるはずです。
派遣事務から正社員転職で後悔する人の5つの共通点
共通点1:「正社員=給料が上がる」と思い込んでいた
よくある口コミ: 「派遣から正社員になったのに、手取りが減った。残業代も出ないし、むしろ損してる」(29歳・元派遣事務)
現実的な補足: 派遣事務の時給は1,400〜1,800円程度。フルタイムで働けば月給23〜29万円になります。一方、事務職の正社員求人を見ると、初任給18〜22万円という企業が珍しくありません。
さらに、派遣では残業代が1分単位で支払われますが、正社員になると「みなし残業」で月20〜30時間分が給与に含まれているケースも。結果的に、時給換算すると派遣時代より下がるという事態が起こります。
後悔する人は、「正社員=安定=収入アップ」という単純な図式で考えていました。実際は、短期的な収入は下がり、長期的に退職金や昇給で回収するという仕組みを理解していなかったのです。
焦りと期待が入り混じる中で、給与明細の額面だけを見て「騙された」と感じてしまう。この感情のギャップが、後悔の第一歩です。
共通点2:「事務=楽な仕事」というイメージで転職した
よくある口コミ: 「派遣の時は定時で帰れたのに、正社員になったら雑用ばかり押し付けられる。これが正社員の現実か…」(32歳・一般事務)
現実的な考察: 派遣事務と正社員事務では、求められる役割がまったく違います。
派遣事務の場合:
- 決められた業務をこなす
- 責任範囲が明確
- 定時で帰りやすい
- 電話対応や来客対応は「担当外」と言えることも多い
正社員事務の場合:
- 会議の準備、議事録作成
- 部署の雑用全般(お茶出し、掃除、備品発注)
- 急な依頼への対応
- 「事務の人」として何でも頼まれる
ある企業の一般事務に転職したAさん(30歳)は、こう語ります。
「面接では『データ入力とファイリングが主な仕事』と聞いていたのに、実際は社長の名刺整理、来客用のお茶選び、社員旅行の手配まで任されて。派遣の時の方が専門性があった気がします」
不安と現実のギャップがここにあります。「正社員になれば専門スキルが身につく」と期待していたのに、実際は「何でも屋」になってしまった。この喪失感が後悔につながります。
共通点3:年収だけを見て企業規模を見ていなかった
よくある口コミ: 「年収300万円の正社員求人に飛びついたけど、社員5人の零細企業。有給も取れないし、ボーナスも寸志程度」(27歳・営業事務)
現実的な反論: 事務職転職で年収が上がらない最大の理由は、企業規模と業界を見ていないからです。
事務職の平均年収は以下のように企業規模で大きく変わります:
- 大企業(従業員1,000人以上):年収350〜450万円
- 中小企業(100〜999人):年収280〜350万円
- 小規模企業(10〜99人):年収240〜300万円
「正社員になりたい」という焦りから、企業規模や業界を確認せず、「事務・未経験OK・正社員」という条件だけで応募してしまう。結果、零細企業の正社員になり、給与も福利厚生も派遣時代より悪化するケースが後を絶ちません。
Bさん(33歳)の失敗例: 「派遣時代は大手メーカーで時給1,600円。年収換算で約310万円でした。『正社員になりたい』と思って、地元の建設会社の事務に転職。年収は280万円、残業は月40時間、有給は『忙しいから無理』と言われる。完全に失敗でした」
共通点4:「向いていない業界」を選んでしまった
よくある口コミ: 「IT企業の事務に転職したけど、専門用語が分からなすぎてついていけない」(26歳・総務事務)
現実的な補足: 事務職といっても、業界によって求められる知識とスキルは大きく異なります。
- IT業界:システム名、プログラミング用語の理解
- 医療業界:医療用語、保険制度の知識
- 法律事務所:法律用語、書類作成の厳密さ
- 貿易事務:英語力、貿易実務の知識
派遣時代に「一般事務」として比較的簡単な業務をしていた人が、専門性の高い業界の事務職に転職すると、知識不足で苦しむことになります。
期待と不安が交錯する中で、「正社員になれるなら業界は問わない」と妥協してしまう。結果、毎日が用語の理解に追われ、「自分には向いていなかった」と後悔するのです。
共通点5:「安定」だけを求めて、キャリアプランを考えていなかった
よくある口コミ: 「正社員になって3年。何のスキルも身についていない。このままでいいのか不安…」(31歳・一般事務)
現実的な考察: 派遣の不安定さから逃れたい一心で、「とにかく正社員」という基準だけで転職してしまう人がいます。
でも、考えてみてください。
- 5年後、10年後のキャリアは?
- 身につくスキルは?
- 昇給の見込みは?
- この会社で長く働きたいか?
これらを考えずに転職すると、正社員になった安心感は最初の半年で消え、「結局、このままでいいのか」という新しい不安に襲われます。
Cさん(35歳)の後悔: 「派遣契約が終わるタイミングで、焦って中小企業の事務に転職しました。確かに正社員にはなれたけど、給与は上がらないし、昇進のポストもない。40歳になった時、自分はどうなっているんだろう…という不安が消えません」
事務職転職で「向いている人」と「向いていない人」
向いている人の特徴
特徴1:細かい作業を正確にこなすことに喜びを感じる人
具体的な業務例:
- 数字のダブルチェック(請求書、経費精算)
- データ入力の精度確保
- 書類のファイリング、整理整頓
事務職は「正確性」が命です。1円のミス、1文字の誤字が大きな問題につながることもあります。
こんな人は向いています:
- 「完璧に仕上げたい」という性格
- ミスを見つけると気になって仕方がない
- 同じ作業の繰り返しでも苦にならない
実際の声(28歳・経理事務): 「数字が1円でも合わないと気持ち悪くて、何時間でも確認できます。周りからは『よくやるね』と言われますが、これが自分には合ってるんです」
特徴2:調整役・サポート役に徹することができる人
具体的な業務例:
- 会議室の予約調整
- 複数部署間の連絡調整
- 上司のスケジュール管理
事務職は「裏方」です。自分が前面に出るのではなく、他の人が働きやすい環境を整えることが仕事です。
こんな人は向いています:
- 「誰かの役に立っている」という実感が嬉しい
- 目立つより、陰でサポートする方が好き
- 感謝されることがモチベーション
実際の声(32歳・総務事務): 「営業さんから『おかげで商談に集中できました』と言われた時、この仕事を選んで良かったと思います。給料は高くないけど、やりがいはあります」
特徴3:長期的な視点で安定を選べる人
理由: 事務職は、短期的な年収アップより、長期的な安定を得る職種です。
- 初年度の年収は低くても、10年後の退職金がある
- 育児休暇、時短勤務などの制度が整っている
- リストラのリスクが比較的低い
こんな人は向いています:
- 「今すぐ高収入」より「安定した生活」を優先
- ライフイベント(結婚、出産)を見据えている
- 派手さより堅実さを選ぶ性格
実際の声(34歳・一般事務): 「派遣時代より月給は3万円下がりましたが、育休が取れて復帰できる環境があります。長い目で見れば正解だったと思います」
向いていない人の特徴
特徴1:「自分で決めて動きたい」タイプの人
具体的な業務例:
- 上司の指示を待って行動
- マニュアル通りの対応
- 勝手な判断は許されない
事務職の多くは、指示された仕事を正確にこなすことが求められます。
こんな人は向いていません:
- 「もっとこうした方がいい」と提案したくなる
- 裁量権がないとストレスを感じる
- 自分で企画・実行したい
実際の声(29歳・元一般事務): 「業務改善案を出しても『今まで通りでいい』と言われ続けて、やる気を失いました。結局、マーケティング職に転職しました」
特徴2:短期間で年収を上げたい人
理由: 事務職は、年収の上がり幅が限定的です。
一般的な事務職のキャリアパス:
- 入社時:年収250〜300万円
- 5年後:年収280〜350万円
- 10年後:年収320〜400万円
営業職やITエンジニアのように、成果で大きく年収が跳ね上がることはほぼありません。
こんな人は向いていません:
- 30代で年収500万円以上を目指している
- スキルを磨いて市場価値を上げたい
- 成果報酬型の仕事が好き
実際の声(27歳・元営業事務): 「事務から営業に職種転換しました。年収は100万円以上アップ。事務は安定してるけど、稼ぎたいなら別の職種を選ぶべきです」
特徴3:変化や刺激を求める人
具体的な業務例:
- 毎月同じルーティン業務
- 年間スケジュールが決まっている
- 新しいことはほとんどない
事務職は「安定=変化が少ない」ということでもあります。
こんな人は向いていません:
- 同じことの繰り返しが苦痛
- 新しいプロジェクトにワクワクする
- 刺激的な環境で働きたい
実際の声(30歳・元総務事務): 「3年間、同じルーティンの繰り返しで、『これがあと30年続くのか…』と思ったら耐えられなくなりました。今はベンチャー企業の人事として、毎日が新鮮です」
「向いていない」でも活路があるケース
ここまで読んで「自分は向いていないかも…」と感じたあなたへ。
実は、向いていないと思っても成功する道はあります。
ケース1:専門事務にキャリアチェンジする
一般事務は向いていなくても、専門性の高い事務職なら適性があるかもしれません。
- 貿易事務:語学力を活かせる、年収も高め(350〜450万円)
- 法務事務:法律知識を学ぶ楽しさがある
- 営業事務:営業との連携でダイナミックさがある
- 経理事務:数字のスペシャリストとして専門性を高められる
ケース2:事務スキルを活かして別職種へ
事務職で培ったスキルは、他の職種でも活かせます。
- 書類作成力 → 企画職、マーケティング職
- 調整力 → プロジェクトマネージャー
- 正確性 → データアナリスト
実際の例(31歳・元一般事務): 「一般事務で培ったExcelスキルを活かして、データ分析の仕事に転職。年収も50万円アップしました」
ケース3:派遣事務のまま専門性を高める選択
無理に正社員を目指すより、派遣事務として専門スキルを磨くという選択肢もあります。
- 高時給の専門派遣(時給2,000円以上)を狙う
- 複数のスキルを組み合わせる(英語×貿易事務、Excel VBA×データ分析)
- 派遣だからこそ得られる柔軟な働き方を活かす
失敗しない転職のための現実的な解決策
解決策1:年収は「総合的」に計算する
派遣と正社員を比較する時は、以下の要素を全て含めて計算しましょう。
派遣の場合:
- 時給 × 年間労働時間
- 交通費(実費支給が多い)
- 社会保険料(自己負担分)
正社員の場合:
- 月給 × 12ヶ月 + ボーナス
- 退職金の見込み額(年間換算)
- 福利厚生の価値(住宅手当、家族手当など)
チェック項目:
- ボーナスは年間何ヶ月分?
- 退職金制度はある? 勤続年数による金額は?
- 昇給は年にどれくらい?
- 残業代は全額出る? みなし残業の時間は?
解決策2:企業規模と業界を最重要視する
年収が上がらない失敗を防ぐには、**「どの企業か」より「どの規模・業界か」**を重視してください。
おすすめの選び方:
-
従業員100人以上の企業を選ぶ
- 福利厚生が整っている
- 事務職としてのキャリアパスがある
- 給与体系が明確
-
業界平均年収が高い業界を狙う
- 金融業界(銀行、保険)
- インフラ業界(電力、ガス、鉄道)
- 大手メーカー
-
成長業界を選ぶ
- IT、Web業界(事務でも年収が高め)
- 医療・介護(安定性が高い)
解決策3:「3年後の自分」を想像してから決める
転職活動中は焦りと不安でいっぱいですが、一度立ち止まって考えてください。
質問リスト:
- この会社で3年後、どんなスキルが身についている?
- 3年後の給与はいくらになっている?
- 3年後も、この仕事を続けていたいと思える?
- 育休、介護休暇など、必要な制度はある?
実際の成功例(28歳・経理事務): 「3社から内定をもらいましたが、『3年後にどうなっているか』を基準に選びました。初年度の年収は一番低かったけど、昇給制度がしっかりしていて、今では当時の他の内定先より高い年収になっています」
解決策4:転職エージェントを「使い倒す」
派遣から正社員への転職では、転職エージェントの活用が必須です。
エージェントに聞くべきこと:
- この企業の事務職の離職率は?
- 実際の残業時間は?
- 昇給・昇進の実績は?
- 産休・育休の取得実績は?
エージェントは企業の内部事情を知っています。求人票には書かれていないリアルな情報を教えてもらえます。
まとめ:後悔しないために「現実」を知ることから始めよう
派遣事務から正社員への転職で後悔する人の共通点は、期待と現実のギャップを理解していなかったことです。
- 正社員=収入アップではない
- 事務=楽な仕事ではない
- 企業規模と業界が年収を決める
- 向いている人・向いていない人がいる
- 長期的視点が必要
でも、これらを理解した上で転職すれば、失敗のリスクは大きく減ります。
事務職転職で年収が上がらないのは、あなたの能力不足ではありません。選び方と戦略の問題です。
今日お伝えした内容を参考に、もう一度、自分の転職軸を見直してみてください。
「正社員になりたい」という漠然とした目標から、「〇〇業界の従業員○○人規模の企業で、△△というスキルを身につけながら、3年後に年収○○万円を目指す」という具体的な目標へ。
その明確さが、後悔しない転職への第一歩です。
あなたの転職が、本当に望む未来につながることを願っています。
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